鍼(はり)の裏ネタ


お灸を使った、魚の目の治し方(下)

お灸を使った、魚の目の治し方(上)のつづき。

さて、やり方です。

魚の目なら芯がありますよね。目の黒目部分。モグサをひねるときに、
それより心もち大きい底面の円錐形にします。

そしてこれを目の部分において、線香で火をつけ、
消えるまでそのままにします。数秒で消えます

熱いんじゃぁ・・・

って思われるかもしれませんけど、最初はなぜか熱くありません。

何度も繰り返して、熱さを感じたら、その日の灸は終了です。

これを毎日やり続けます。
目が取れるまでやり続けます。

ようするに、お灸で角質化した皮膚を、炭化して取っちゃおうという戦法です。

薬なんかと違って、皮膚を焼いてしまうので、
その層は神経も焼かれてしまうので、歩いたときの痛みが減ります。

毎日続けて、目が取れてしまったら終了です。しばらく様子を見ましょう。

注意点として二つ挙げておきます。

1)最初は鍼灸院でやってもらいましょう。
2)再発防止のために、靴を考えましょう。

1について。お灸のやり方ですが、ちょっとコツがいりますので、
最初のうちは鍼灸院でやってもらって、アドバイスを
受けましょう。自宅でやるのが慣れるまで、
間違っていないか、ときどきアドバイスを受けてください。

2について。魚の目は、基本的に反復刺激によってなりますので、
靴や歩き方に注意しましょう。女性は、ハイヒールは止めましょう。


お灸を使った、魚の目の治し方(上)

魚の目、痛いですね。

ネットで調べてみると、検索上位に表示されるのは
アフィリエイト狙いのくだらないサイトばかりだなぁ・・・

まあ、それはいいんですけれども、
このサイトにたどり着いて、読んでくださった皆様、ありがとうございます。

軽度なら市販で改善することもありますが、まあ、またすぐに出てきます。

皮膚科に行けば、液体窒素やレーザーで焼いてくれますが、
これから紹介する、お灸療法とどっちが効果的なのかな?

鍼灸の世界では、昔から、魚の目や胼胝(タコ)はお灸で焼いて治してきました。
毎日根気よくやる必要はありますが、なかなか成績の良い治療です。

使うのはモグサと線香です。
お灸といっても、せんねん灸みたいなのではなく、昔からある、モグサを使います。

モグサは品質に等級があるのですが、上級品を使う必要はありません。
温灸用に使う、中級品くらいがちょうどいいです。上級品より中級品の方が燃焼温度が
高いからです。といって、下級品になると、きれいにひねる(円錐形にする)のが難しくなるので、
中級品がちょうど良い。

お灸を使った、魚の目の治し方(下)


夏に暑苦しくて寝れない

夏の夜は暑苦しくて、
よく眠れないことが多いですね。

冷え症で身体の弱い人は、
どちらかというと夏はマシです。
冷え症の人が夏に眠られないのは
自分でも養生でコントロールしやすい。

きちんと治療をしないと、
なかなか体調がよくならないのが、
身体に熱が籠もりやすいタイプ。

こういう熱が籠もりやすい人で、
日中仕事に集中してのぼせると、
みぞおちから喉にかけてのあたり、
胸に熱が籠もった感じになりやすい。

眠られないだけなら、まだましですが、
ひどくなってくると、イライラして怒りやすくなったり、
パニック障害になりやすくなる。

こういう方はまず胸の熱を冷ますこと。
それから全身の熱を冷ますことが
重要です。

これは、ご自身の養生ではなかなか
難しいですね。鍼灸治療で、
ばっちり熱を抜いてやるほどに持っていくのは難しいです。
治療はさほど難しくない例が多いです。


梅雨・雨のだるさ対策には箱灸

梅雨のだるさ対策について何回か書いてきました。
連載だな。。。

それはいいとして、今回は、お灸、箱灸の話。

鍼治療をしていても、
梅雨や雨の日は、なかなか反応してくれません。
困ったことに、反応が鈍いんですねぇ・・・

で、そこでお灸です。
半米粒大の円錐形にひねって、
秘伝のツボに、チッ!
って効かせる・・・
てな職人芸もいいんですけど、
ちまちまするより、ドカン!と効かせたい。

というわけで、そういうときは箱灸。
モグサひねったり、棒灸・・・よりも箱灸。

以前、不妊?下痢?冷えを治す強力武器の箱灸でも取り上げました。

Hakokyu_3
こんな感じのやつです。

ウチで使っているのは、五合桝に穴を開けて、
茶こしを詰め込んだ、もろ手作りですf^^;)

見てくれは、イマイチですが、
いやぁ、これが効くんですよ。
お臍・下腹・腰・お尻(仙骨)あたりを、
体調に合わせてあたためます。

ガツン!と、温まります。
これを書いているのも梅雨の一日。
あまりにだるいんで昼休みに自分で臍にしました。
キモチイイ!です。
だるいのマシになって、午後からの治療に集中できました。

ちょっと煙がすごいんで、
ご家庭ではつらいものがあるかも。
そういう方は、当院へご予約入れてください(笑)。


不妊?下痢?冷えを治す強力武器の箱灸

冷え症がつらくて・・・・・
とお悩みの女性は多いでしょう。生理痛がひどかったり、不妊になったり女性は大変です。男性でも冷え症の人がいますね。で、そういった方向けの治療道具の話。

Hakokyu_3
鍼灸の世界では冷え症にお灸をよく使います。
お灸でもいろいろあるんですよ。
いわゆる艾(モグサ)を円錐形にひねって使うやつ。
それから巨大な葉巻みたいな棒灸。
一般的によく使われているのは、この二つですね(
詳しくは、姉妹サイトお灸わーるど:大阪天満・天神橋・天満宮から眺めるお灸の世界をどうぞ)。

なぜかあまり使われていないけど、今回ご紹介する箱灸。
臍、お腹、腰なんかを広範囲に温めます。
モグサは小さな点、棒灸は少し大きめな点、を温めるのに対して、
この箱灸は広い面積を温める、非常に強力な秘密兵器。
漢方薬なら附子剤に相当します。
普通は附子を使う前に、他の温める処方をしますが、
どうしても冷えが抜けないときに使うのが、附子剤。
この箱灸もそんな使い方ですね。

ん?手作りっぽく見えるって?
手作りです(^^)

既製品を買ったら5千円から1万円くらいするんですよ~
写真の物は五合枡にドリルで穴を開け茶こしを入れただけ。
原価1500円以下です(ちょ~裏ネタ)。

こいつの難点は煙がスゴイこと。ご家庭では、家族から嫌がられるかもね~
で、煙からでるヤニがとにかくスゴイ。だからアルミ箔を貼っています。
汚く茶色になっているのがヤニです。10~15回くらい使うだけで、
こんなにヤニが出ます。

不妊の方、いつも下痢気味の方、一度当院に試しに来てみてください。
こいつだけのコースも新設しようかな?


大雨と体のだるさ

雨が近づいてくると、

体がだるい、重たい
持病が痛む、
肩がこる
頭痛がする

なんて感じる方、多いと思います。

雨が近づく、前線が近づいてくると、
低気圧になり、湿度が高くなります。

特に胃腸が弱い方に多いです。
胃腸の強さは膵臓とも関係します。

胃腸・膵臓は、
エネルギーを生み出す力、
体の湿気、水分調整と深く関わっています。


梅雨時や真夏は、クーラーも使っているでしょうから、
カラダが冷えて
より不調の原因が増えます

そんな時は、お灸と鍼が効きます。

カラダを温めるツボにお灸をすると、
体の冷えと湿気を飛ばしてくれます。

鍼で胃腸と膵臓の働きを高めます。

[PR]新宿の、喉のつまり・味覚異常なら テラフィあけぼの橋


骨折の刺絡療法

鍼治療で使われる鍼にはいろんな種類があります。

みなさんがご存じの刺す鍼は、
毫鍼とよばれるもので、
一番よく知られているもの。

さすったり、なでたりする鍼もある。
ローラーになっていてゴロゴロ転がすものもある。
子どもに使うんだけどね。

今回は取り上げるのは三稜鍼。
鍼の先が鋭利な三角錐みたいになっている。

鋭利な鍼先で、表皮をちょこっとつっついて、
数滴血を出すのに使う。

皮膚から血を出す鍼治療を刺絡療法といって、
そのなかでも表皮を少しだけ傷つけて
血を絞り出すのを皮膚刺絡という。

炎症があったり、高熱が出たときなんかに
皮膚刺絡をすると速効性がある。

以上が今回の裏ネタの前振り。

[PR]写真で見る刺絡鍼法マニュアル

骨折でギブス固定しますよね。
特に四肢の長い骨の骨折でギブス固定すると、
関節が固まって動かしにくくなるんです。
簡単なものでも3週間くらいは固定しますからね。

で、このときにですね、骨折した四肢の
指先(足なら趾先)を触診して、
圧痛もしくは硬結(固くなっていること)が
ある部分からときどき刺絡をしてやります。


そうすると、まず骨折部位の炎症が改善され、
痛みが軽減されます。
また、ギブス固定によって関節が固くなるのを
軽くすることができます。
できるだけ固定直後からやった方がいい。

若い頃、整形外科で勤務していたときによくやりました。

ただし、関節がかたくなるのを軽減するといっても、
有効なのは硬直(筋肉がかたくなること)による可動域制限で、
強直(関節部の骨および軟骨の変形や癒着が原因の)可動域制限には
あまり効きません(プロにしたらあたりまえといえばあたりまえですが・・・)

注意点は、体力のない人や、持病がある患者さんには
しない方がよく、スポーツで骨折した患者さんに限定
する方が無難でしょう。スポーツできる体力があるんですからね。

整形外科や鍼灸接骨院で働いている鍼灸師は
試してみるといいでしょう。


[PR]刺絡聞見録


逆子の灸・安産灸

鍼灸治療には産科分野があって、
不妊治療や逆子の灸・安産の灸なんかが有名ですね。

「逆子の灸をして欲しい」ということで、
来院された患者さんに問診していると、

通っている産婦人科で勧められた。

とか、
助産師さんに勧められた。

なんてことをおっしゃる方が増えているところをみると、
産婦人科でも

逆子の灸がは効果があるらしい

という認識が広まっているようです。
これは、産婦人科の学会で研究発表されたことも
関係しているでしょう。

不妊治療はなかなか難しいものがありますが、
逆子の灸は簡単で、
どこの鍼灸院でもそれなりに効果を上げることができますね。
効果を平均以上にげるにはちょっとしたテクニックが必要ですが、
まあ、不妊治療ほど難しくない。
治療中に逆子が治っちゃうこともあって、面白い治療です。

ん?こんなの裏ネタじゃないって?
ネタはこの先。

実は「逆子の灸」「安産灸」を商標登録した鍼灸師がいて、
他の治療院がHPやブログで「逆子の灸」「安産灸」なんてのを書いていると、
クレームのメールを送りつけていたらしい(最近はあまり聞かないが)。

うちにはメールが来たことはないですが、知り合いが送りつけられて、
よく出入りしている鍼灸師向けの掲示板でも、数年前に話題になりました。

メールを送りつけられた鍼灸師が特許庁に問い合わせすると、

昔から使われている名称だと、他の人が使っても問題なし!

という回答を得られたとか。
当たり前だな。
なぜって?
こういった類の係争で判例があるからです。

有名なところでは正露丸の商標名裁判。

正露丸って旧名は征露丸。征露丸ができたのは明治時代。

明治のはじめ、日清戦争において不衛生な水源による伝染病に悩まされた帝国陸軍は、感染症の対策に取り組んでいた。陸軍軍医学校の教官であった戸塚機知三等軍医正は、1903年にクレオソート剤がチフス菌に対する著明な抑制効果を持つことを発見する。 (Wikipedia 「正露丸」の項)
というのが正露丸誕生秘話らしい。 ちなみに、征露というのは日露戦争で「ロシアをやっつける」という意味で、 当時の流行語だったとか。

日本が日露戦争に勝ったのも幸いして、
クレオソート剤の征露丸をいろんなメーカーが発売して、
国民的な薬になったそうだ。


さて、裁判の話。

正露丸といえばCMでも有名な「ラッパのマーク、大幸薬品」の正露丸だが、
陸軍よりも早く開発したと主張している。

正露丸の元祖だと主張している大幸薬品は、陸軍よりも1年早い1902年に、大阪の薬商である中島佐一が征露丸を開発して販売を開始したと主張している。(同上)

大幸薬品は1954年に「正露丸」の名称の独占的使用権を主張し、商標登録を行う。
これに反発した製薬会社が裁判を起こしたんですね。

1954年に、業界第一位で中島佐一の「忠勇征露丸」製造販売権を継承する大幸薬品(大阪府吹田市)が「正露丸」の名称の独占的使用権を主張し、商標登録を行った。これに対して、クレオソートの製法を独自開発し、物資不足の第二次大戦中も軍に征露丸の納入を続けた和泉薬品工業などが反発し、1955年4月に特許庁に無効審判を請求。しかし、特許庁が1960年4月に登録維持の審決を下したことから、東京高等裁判所に審決取消訴訟を提起。東京高裁は1971年9月に「正露丸はクレオソートを主材とした整腸剤の一般的な名称として国民に認識されており、これを固有の商標とした特許庁の審決を取り消す」と判決し、この判決は1974年3月に最高裁で確定した。(同上)


大幸薬品 以外の正露丸

というわけで、「逆子の灸」も「安産灸」も、

どんどん使ってよし!(たぶん。。。)

ということで。

同業者はWikipediaの正露丸の項目を読むべし。勉強なります。

追記:東京の友人によると

メールで「使うな」って送っては来なかったけれど、タウン誌で宣伝する時にチャチャが入ったことがある。

だそうだ。本当なら、かなりエグイやり方だなぁ。。。


刺絡をするときの消毒

前出の『傷はぜったい消毒するな』の作者、
夏井睦先生のHPをみていたら、
消毒について書いていらっしゃったので、
それをふまえて以下に書いてみましょう。

鍼に刺絡療法という方法がある。
三稜鍼といって、注射針の先みたいな鍼で少し皮膚を傷つけて、
少しだけ血を出す鍼法です。

その刺絡療法をやっていて気づいたことがありました。

三稜鍼で皮膚を切って出血させたときに、
アルコールやヒビテンを含ませた綿花を使うと血が止まりにくい。

最初は濡らすからかと思って、
水を含ませたものに変えたらこちらの方が血が止まりやすい。
どうやら消毒液に傷を治りにくくする作用があるようだ・・・

ということでよく考えてみたら、
消毒液には細胞を破壊する作用があるので、
当たり前の話だということに気づいた。

じゃあ、終えるときにはどうしたらいいか・・・
ってことになってくる。

だって、消毒しようとすると血を止めにくくするのと同じことなので。

止まるのを確認してから終える。
これで問題を生じたことはない。

ただしこれは刺絡でも皮膚刺絡といわれるものだったからかかもしれない。
刺絡でも、もうちょっとたくさん出させる場合がある。

しかしこれとて、擦り傷や切り傷ほど傷口は深くない。

ということで、鍼灸師レベルでは
あまり感染に関しては、気にしなくていいということかと思います。

注意しなければいけないのは、
関節包内に刺鍼する場合と、
極端に体力が弱っている人(寝たきり老人や重篤な病気の人)
くらいかな?

肝炎の患者さんに使った鍼を、
そのまま別の患者さんに使うなんて事はしないだろうし。

夏井先生のHPには皮膚消毒について詳しく書いてあり、
鍼灸師からの質問にこたえていらっしゃるヶ所もある。
これは次回に取り上げよう。


怖がると鍼が痛いぞ!~鍼と痛み5~

鍼治療を受けたことがなく

鍼って痛たそ~

って思って来られる方がいます。


怖がっても来られるだけうれしいです。


女性より男性の方が恐がりが多い傾向にあります。
体格の良いスポーツマンタイプのお兄さんや、
こわ面の刺青をしたオジサンなんか特に恐がりですね。

大病した人や出産経験のある女性なんかは、頭では怖がっていても
デンと構えていますから、比較的だいじょうぶです。母は強し。

身体も心も緊張しています。


皮膚が緊張していて、
てい鍼という刺さない鍼を接触させるだけでも痛がる人もいます。
男性や若い女の人に多いです。

大病した人や出産経験のある女性なんかは、
頭では怖がっていてもデンと構えていますから、
比較的だいじょうぶです。

母は強し。

どちらかというと男性の方が怖がりです。

こういう方が来られると、治療家も腕の見せ所です。
私などは根っからの大阪人。
「ギャグのひとつもかましてリラックス!」と思いきや、
オヤジギャク連発ではずすことも多いです。

いや、それはともかくこういう方には刺す前に皮膚をさすったり、
軽く揉んだりして緊張を取ってやります。

鍼を刺すときも、特別な刺し方があります。

こういうところに秘伝があったりします。