養生法

暑さを押さえる酢の物を 夏の養生法3

夏の養生法、薬膳編その1。

薬膳の基本は漢方や鍼灸と同じで、
診察して食事のメニューを決めることが基本。

昔、中国の宮廷には食医とよばれる官職がありました。
今で言うと、内科医兼栄養士みたいな職業です。
皇帝やその家族の食事を決める職業だったので、
かなり高位の官職だったようです。

それはともかく、夏の薬膳は身体の熱を除く食材を使ったものが基本になります。
熱を除くので、きつい冷え症の人にはあまり向きませんが、
夏の暑いときに外に長時間いたときなんかは、
日焼けするし、身体は火照るしで、こんな状態なら
よほどの冷え症の人でない限り大丈夫でしょう。

身体を冷やす野菜といえば、
野菜だと、大根・キュウリ・茄子・冬瓜なんかが定番。
夏には安くで売っています。

そこでお勧めが、身体を冷やす発酵食品の酢を使った、なます。
正月のおせち料理によく作りますね。

私は五色なますを作ります。
使う食材は、ニンジン・大根・キュウリ・昆布の千切り・黒キクラゲ。
柚か干し柿を入れて、彩り良くしたいところですが、季節外れ。
大根・ニンジン・キュウリは身体を冷やす野菜。
昆布は味付け用・黒キクラゲ補腎用です。
香辛料を入れて、ピクルス風にしてもいいです。

詳しい作り方は、ネットで検索してくださいね。
ネットでは酢を使わないものも出てきますが、
酢を使ったものにした方が、清熱作用が強く、
保存も利くので便利です。

それから酢はいいものを使った方が、
まろやかにできておいしいです。

薬膳の本は一家に一冊、良いものを置いておくと良いでしょう。
お勧めは辰巳洋さんの本です。中国で専門に学ばれたので、
安心して読めます。

他に、プロ用のも出しておられます。

ウチの患者さんには、身体にあった食事は治療の中でお話させていただいてますが、
分からなければ、ご来院になったときに質問してくださいね。
患者さんでない方のメールや電話にはお答えできません。
治療を受けていらっしゃる方限定です。ゴメンナサイ。


クーラーとカゼ3 夏の養生法2

クーラーの効果的使い方の補足です。

まず、家に帰ってきていきなりクーラーをつけるのは効きが悪く、
電気代も余分にかかります。

なぜかというと、室内に暖気が籠もって、温室状態になっているからです。
いったん、対面する二ヶ所の窓を開けて、風通しをよくしてやり、暖気を
逃がしてやります。窓が片側しかなければ、玄関の扉を少し開けるか、
換気扇をまわすと良いでしょう。そして外気との温度差をなくします。

それからクーラーを入れるのですが、このときもやはり窓を5センチほど開けておきます。
小窓があればそちらの方がよいでしょう。冷気が外に漏れてもったいないと感じるかもしれませんが、
室内の気圧と外の気圧が同じになると冷気はもれなくなります。

それと、冷気は下に籠もりますので、サーキュレーターなどで循環させないかぎり、
全体が均質の温度になりません。そこで、すこし窓を開けておくと、
上にある暖気が逃げていきますので室温が均質になってきます。

ウチの治療院はお灸を使いますので、ブースに換気扇があるんですが、
これをまわしてやると、冷気がブースに入ってきます。
換気扇をまわすのとまわさないのとではブースの冷え方がぜんぜん違うんですよね。

ご自宅でも窓が開けられない場合は、換気扇をまわしてみてください。冷え方がぜんぜん違ってきます。

そうそう、それから一日中、部屋を閉め切っていると、
クーラーの噴出し口が結露して水がぽたぽた漏ることもあります。


クーラーとカゼ2 夏の養生法2

クーラーとカゼ1 夏の養生法2よりつづく)
さて、ここからが本題?

クーラーは身体を冷やしてくれるわけですが、
当然皮膚から冷えてきます。
これがカゼにかかるプロセスと同じなんですね。
特に首筋から肩・肩胛骨にかけてのあたり。

このあたりの皮膚がクーラーによって冷える。
カゼのひきはじめ、表寒実状態を人工的に起こすようなものです。

夏の基本的な体調は、暑さを冷やすために、やや発汗している・・・
のが自然な姿です。
それだったらいいのですが、
発汗するために汗腺や毛穴が開いているところへクーラーの冷気があたると、
上記の表寒実になります。
つまり、皮膚は冷えていて、中には熱がある・・・
熱の逃げ場も冷えの逃げ場もない状態に、人工的にしてしまう。
これは身体にとって非常によくない状態です。

対策は、昼休みや退社後に、汗をかいて皮膚の冷えを飛ばすこと。
仕事中は、ときどき熱いお茶などを飲んで、
身体の中からあたためて、少し汗をかくこと。

そして汗をかいている状態で冷気にあたらないことです。


クーラーとカゼ1 夏の養生法2

夏の養生法第二弾はクーラー

暑いとクーラーが恋しくなりますね。
ところがOLさんは、一日中オフィスにいて、
クーラーがしっかり効いた部屋で身体が冷えてしまいます。
男性は女性より基礎代謝量が大きいし、営業職員なんかは暑い中を
帰ってきてガンガン冷やしたがりますので、
クーラーの設定温度戦争起きます。
困ったものですね。

それは職場で相談して頂くしかないので、
治療家の出番はありません。

そこでご自身でできるクーラー対策をいくつか
上げてみましょう。

まずは簡単なところから。
クーラーの冷気が首筋にあたりますと、
カゼをひいてしまいますので、
これを避けるために、スカーフを頚に巻きます。
一番お金のかからない方法です。

次はサーキュレーター。

クーラーの冷気は下に行きますので、
まず足から冷えが入ってきて、下半身が冷えやすい。
そこで、できたらサーキュレーターで冷気を天井に向かって送ってやることです。
こうして、冷気と暖気を混ぜてやります。

お勧めはサーキュレーターは扇風機型ではなくて、
縦長型で横置きできるタイプのもの。
スピードは弱で充分です。
もし窓もしくは壁に換気扇があれば、
上の方に籠もっている暖気が外に行き、
冷気が流れやすいです。

本当は東南アジアでよく使われているような、
大型のファンを天井に二つ付け、
回転を反対にしてやる。
そうすると、冷気と暖気がうまく循環して混じり合います。
しかし、なかなかこういうのはできませんね。
私の治療院もやりたいのですが、天井の強度を考えるとできません。

>>クーラーとカゼ2 夏の養生法2


日焼け 夏の養生法1

この記事は、6月の28日に書いています。
梅雨ですが、晴れると暑く、海が恋しくなる季節です。

さて、これから何度かにわたって、夏の養生法を特集してみましょう。

第一回目は日焼け。

紫外線がきつく、日焼けはシミの原因になるので女性にとっては困ったもの・・・

ということですが、女性にとってはというより「美容にとっては」が正解で、
「健康にとっては適度な日焼けは必要」です。
特に冷え症の方、カゼをひきやすい方は
首筋から肩胛骨の上のあたりを少し日焼けしておいた方が、
冬になってもカゼを引きにくくなります。

なぜなら、カゼは、このあたりから冷えが入ることによって始まる・・・
というのが、中国医学の基本的な考え方です。

鍼灸でも、このあたりには、風池・風門・風府など「風」に関する重要なツボがあります。
これらのツボはカゼのひきはじめの時によく使います。

夏ならクーラーですかね。
冷えを伴った風がここから入ってきてカゼをひく・・・
まあ、そんな考えですね。

ここを日焼けしておいて、熱を入れておけば、カゼをひきにくい。

ということです。


梅雨・雨のだるさを治すには?(下)

梅雨のだるさを治すには?(上)のつづき

じゃぁ、どうすればいいかですけれども、

脾を守る

というのが主たる養生法ですね。
そのためには
1)利尿作用を促す食物を食べること、
2)食べ過ぎない
3)甘いものを控える

あたりです。

利尿作用が多い食材でお勧めなのが、小豆・黒豆・ハトムギです。

特に小豆や黒豆。
これは下ゆでしておいて、毎日ご飯と一緒に炊くといいでしょう。
小豆ご飯だと赤飯みたいです(赤飯は餅米で作ります)。
多めに作っておいて、小分けして凍らしておくと便利です。
小豆はカボチャと一緒に炊いてもおいしいです。

ただし、小豆も大豆も砂糖を入れて、餡にしてはだめです。
後述するように、砂糖は脾に負担をかけるからです。

ハトムギは、米と一緒にして炊いても食べられますが、
ちょっと固くて、もそもそするので、おいしくないです。
煎じて飲むといいでしょう。
米のとぎ汁みたいな味ですが、まあ、飲めます。


2の食べ過ぎですが、これはいうまでもなく、
胃腸の働きを悪くしますから、控えましょう。
特に夜食は要注意。

3の甘いものを控えるですが、これは砂糖だけでなく、
炭水化物全般にもいえることです。砂糖・炭水化物は
血中の血糖を上げますので、これを下げるために
インシュリンが分泌されます。たくさん甘いものを
食べるとそれだけインシュリンが必要なので、
分泌している膵臓が疲れてきます。
そうすると身体がだるくなります。
梅雨時は暑いので、
アイスクリームや冷たいジュースが欲しくなりますが
じっと我慢です。

以上が基本的な養生法ですが、
OLさんは、ずっと座り仕事なので、
これだけでは、からだのだるさが
取れないかもしれません。

そのときは、治療をうけにいらしてください。
大多数は、その場で、からだが軽くなるのを
実感して頂けるとおもいます。

それでもだめなときは、以前書いた、胃の気の推拿法がお勧めです。
目でみる中国推拿基本手技のテクニック増補改訂版


ちなみに梅雨だけでなくて、前線が近づいてきて、
雨が降りそうになったら「だるくなる」というのも
同じ原理です。


梅雨・雨のだるさを治すには?(上)

梅雨に入って

あ~、からだがだるい・・・

と感じていらっしゃる方は多いと思います。

梅雨に入ると、なぜ身体がだるくなるのか?
中国医学では、湿度と脾の関係で説明されます。

中国医学でいう脾というのは西洋医学的には、
膵臓とその働きを総称したものと、
ここでは、考えておけばいいでしょう。

膵臓の主たる働きは、

1)消化酵素を出して消化を促すこと、
2)インシュリンとグルカゴンの分泌によって糖代謝をコントロールすること

ですね。高校の生物でも出てくる話です。

1の消化酵素に関しては、食物の消化吸収の働きをよくすることですから、
栄養素の取り込み能力に関わってきます。

2のインシュリンとグルカゴンですが、これは糖代謝のコントロールですから、
エネルギーの産生と蓄積に大きく関わってきます。

以上は西洋医学の話ですが、
中国医学では、

過度の湿気は脾の働きの障害になる

と考えます。

大気中の湿度が高くなりますと、身体から水分が蒸発しにくくなります。
そうすると、身体の湿気が多くなります。
身体の湿気が「からだのだるさ」の原因のひとつです

そしてこの体内の湿気が脾の機能低下を起こさせます。
そうすると、消化酵素の出がわるくなるり、胃腸に負担がかかります。
またインシュリン・グルカゴンの分泌・抑制によるエネルギー産生能力が減ります。
そうすると「からだがだるく」なります。

この悪循環が起こるのが、梅雨の季節なんです。


梅雨のだるさを治すには?(下)